美味しいですよね、馬肉。なかなか食べる機会がないので苦手という方もいるかもしれませんが、ヘルシーでいいんですよ。うちの近くにも専門店があって、と考えると日本人は馬肉そこそこ食べてますよね。では外国は?他の国では食べているのでしょうか?
そんな中、フランスである理由から近年馬肉への注目が集まっているそうです。それはどんな理由なのか。折角なので馬肉の歴史とともに紐解いていきましょう。
馬肉はいつから食べられてるの?
実は日本で馬肉が食べられるようになったのは古墳時代。大陸から馬が渡来したことに始まります。乗馬用ではあったのですが、食用にも使われていたそうです。ところが、奈良時代になって仏教が広まると、仏教の教えから動物の殺生・肉食が禁止されていきました。その後長く馬肉は、食べられることはありませんでした。
近世で馬肉・馬刺しが広まったのは、加藤清正がルーツであるという熊本県の俗説が有力です。朝鮮出兵時に食料が底をつき、軍馬を食したことが発端となり、帰国後も好んで馬刺しを食したことから領地・熊本から全国に広まったとされます。仕方なく食べた馬肉が思いの外美味しかったんでしょうね。じゃなきゃ帰国後好んで食べたりしないでしょう。
また、江戸時代に入ると馬肉・馬刺しは、ただのおいしい食材ではなく「薬膳料理」として提供され、「風邪」に効くと食べ物として確立し、現在でも馬肉・馬刺しは非常に栄養価の高い食肉である事が立証されてい ます。
というのが、日本における馬肉の歴史です。
ではフランスは?
フランスがガリアと呼ばれた時代には、人々は馬を神への生贄にしたり、馬肉を食べていたと言われるのですが、キリスト教文化が入ってからは食べなくなっていました。732年、ローマ教皇のグレゴリウス3世は、信者に馬肉を食べることを正式に禁止したそうです。
時代が下っても、宗教上の理由だけではなく、人々が馬肉を食べないことには背景があったようです。馬は、他の家畜とは違って、貴族にとっては気高い生き物であったことが大きな理由です。確かに貴族ってよく馬に乗ってますよね。イメージですけど。
それも18世紀末には崩れてきたようです。ナポレオンの軍隊は戦場で馬を食べ、革命期には飢えをしのぐために食べられたりしていました。単に馬肉が好きな人たちもいたようで、闇で仕入れて食べているというルートはあったそうです。やっぱり美味しいんだよ、馬肉。
19世紀になると、馬肉を食肉の仲間に入れるようにと運動を起こす人たちが現れました。そして1866年、馬肉を食べることがフランスで法的に認められるのです。けれどそれまでの馬は食べない習慣があったので、すぐに人々が馬肉を食べるようにはなりまんでした。フランスで馬肉を食べる習慣ができたきっかけは、1870年に勃発した普仏戦争。食糧難で食肉が不足したのでした。
フランスで最も多く馬肉が食べられたのは1900年から1960年にかけてだったそうです。その後は消費される割合はどんどん減っていき、今では食肉のうち0.04%しか馬肉は食べられていないそうです。もったいない。
なぜ今フランスで馬肉?
ところが、近年ある報道がきっかけでフランスでちょっと馬肉消費が増えたそうです。
何があったかというと、2013年にイギリスやアイルランドで販売された牛肉に馬肉が混ざっていたという「馬肉混入問題」が発生したのです。
実はイギリスやアイルランドは馬肉食をタブーにしていて、それはそれは大問題になったのです。
で、ここにどうフランスが出てくるかというと、このニュースを見て、今まで忘れてた馬肉の存在を思い出したそうです。何だそれ、って感じですよね。それで、興味を持って馬肉を買って食べてみる人が増えたそうです。それでいいのか、フランス人。
馬肉取引業者団体のトップ、エリック・ビグルー氏は「スキャンダルの影響で、オフィスや仕事場では皆がその話をしている。普段買っていた消費者は、罪悪感の度合いが弱まり、肉屋を薦めているようだ」と説明。スキャンダル以降、国内の売り上げは10~15%ほど増加したとのことです。
意外な理由でフランスで最近馬肉に注目が!その理由とは?まとめ
ヨーロッパでも馬肉を食べる国とタブーになってる国があるのは私も初めて知りました。けれどそれよりも、フランスの馬肉消費が上がった原因が、それでいいのか感が強くて。けれど、食べる人が増えたのは嬉しいことです。せっかくなのでこのままフランスでの馬肉消費が増えるといいな。