馬刺しを食べたことがない人に勧めると、ほぼ必ず聞かれるのがこの質問。
「馬刺しってどんな味がするの?」
「馬刺しって美味しいの?」
私は声を大にして言います。美味しいから兎に角食べてみてよ、と。食べたことないものを食べるときって勇気が入りますよね。その気持ち、わかります。なので、存分に堪能していただくために文字で表せるところで表していきたいと思います。
馬刺しの基礎知識
馬刺しは読んで字のごとく、馬の肉です。馬の肉を刺し身、つまり生で食べるのを馬刺しと言います。馬肉を生で食べる習慣は熊本や長野で多く、元々馬の名産地であることから、そのまま食文化にも繋がったと考えられています。実際ネットで「馬刺し」と調べると、特に熊本県産を多く見かけます。と言っても、今出回っている馬刺しは殆どが輸入品か馬を国内に連れてきて飼育したものであり、本当に純国産の馬刺しと言えるものはかなり希少価値が高くなっています。幼いうちに日本に来た馬から出来る商品は国産扱いになってしまうのです。なので国産=日本で生まれ育った馬、というわけではないのが実情です。牛肉の偽装問題とかでも話題になりましたよね。馬も同じなのです。
さて、一口に馬刺しと言っても、いくつもの種類、部位があります。部位によって味も食感も当然違います。ここからは部位を紹介していきたいと思います。
たてがみ
馬にしかない部位、たてがみ。別名こうね、とも言います。ゼラチンが多く含まれていて、色が白いのが特徴です。またコラーゲンたっぷりなので女性に人気の部位です。脂身なのですが、あっさりとしていてほのかな甘みがあります。そしてプリプリとした歯ごたえなのですが、口に含むととろけていくような感じがします。できるだけ薄く切ってその蕩ける感じを味わってほしいです。
たてがみは、それだけでも美味しいのですが、お勧めは赤身と一緒に食べることです。大トロを食べているかのような旨味を感じることが出来ます。
たてがみは希少部位です。出会ったら迷わず頼んでください。
赤身
たてがみと一緒に食べると美味しいと先ほどあげた赤身です。馬刺しと言えば赤身と言うくらい最もポピュラーな部位です。味としてはわりと淡白です。けれどとても柔らかく、また鉄分が豊富です。お店にただ「馬刺し」と書かれていたらほぼ間違いなくこの赤身が出てきます。他にもユッケやカルパッチョなんかでも使われます。
ちなみに赤身でも高い部分があります。赤身の中の赤身、ロースです。柔らかく甘みも強いロースは、人気が高く、もしお店ではっきりロースと書かれていたら迷うことなく頼むといいでしょう。
フタエゴ
聞きなれない名前のフタエゴ。アバラ肉の3層肉の部位のことをフタエゴと言います。白・赤・白の3層になっています。なので見ればぱっとわかる部位です。昔脂のことを「エゴ」と言っていたそうです。つまり脂(白い部分)が2つ、2つのエゴでフタエゴ。たてがみと同じく馬にしかない部位です。
食感はコリコリとした独特の歯ごたえがありますが、白の脂の部分はとろけるような感じを味わうことが出来ます。バラ肉の部分に当たるので、甘味があります。これまた希少部位なので、出会った時は思い切って注文してください。
馬刺しってどんな味?食べればわかるその味の魅力!まとめ
その他馬刺しとして食べられる部位は他にもあります。霜降り部分の「ハラミ」コリコリしている「ブリスケ」赤身と脂身のバランスのいい「肩ロース」赤身だって細かく分ければいくらでも分けられますが、今回重要なのは「味」なのでその辺は割愛しました。
きっと馬刺しを食べたことがない人は。初めて聞くような部位にまず抵抗があると思いますが、実は、その部位こそが馬刺しにとって希少価値の高い美味しい部位なのです。もちろん、他の部位だって負けず劣らず美味しいです。
是非一度食べてみて、自分のお気に入りの味を見つけてみてください。